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コラム:営業とマーケティングの連携で実現する売上拡大戦略

営業とマーケティングの連携 で実現する売上拡大戦略

営業とマーケティングの連携で実現する売上拡大戦略

目次

はじめに

製造業を中心としたBtoB企業において、デジタル化の波は購買行動に大きな構造的変化をもたらしています。かつては営業担当者の「足で稼ぐ」アプローチが主流でしたが、今日の購買プロセスは大きく様変わりしています。

デジタルネイティブ世代の台頭や情報収集手段の多様化により、BtoB企業の営業部門は新たな課題に直面しています。一方で、マーケティング部門には大きな可能性が広がっています。

本稿では、この変化の中で営業とマーケティングの連携がなぜ重要なのか、どのように実現していくべきかについて、具体的なデータと実践方法をご紹介します。

デジタル時代における営業とマーケティングの役割変化

BtoB購買行動の構造的変革

デジタル時代における営業とマーケティングの役割変化
  • 購買者の約80%が購入決定前にオンラインリサーチを実施
  • 営業担当者との接触は購買プロセスの70%が進行した後
  • Z世代・ミレニアル世代が現在、BtoB購買者の64%を占める

こうした環境変化により、従来の「足で稼ぐ」営業スタイルだけでは、顧客へのリーチに限界が生じています。

営業部門の課題

営業活動の生産性を向上させる必要性

【現状】

  • 優先順位がない
  • 営業属人化
  • 商談確度不明
  • 勘・経験・度胸・足
  • 営業疲弊

【あるべき姿】

  • 「今すぐ客」と商談
  • 受注角度 高
  • 営業リソース最適化

マーケティングの可能性

マーケティングによる顧客アプローチ

マーケティングによる顧客アプローチ

営業とマーケティングの連携モデル

マーケティングファネルとセールスパイプラインの統合

マーケティングプロセス顧客状態主な施策例認知獲得非認知→匿名SEO、広告、SNS、コンテンツ、展示会³実名化匿名→名刺情報獲得サイト改善、CTA改善、フォーム最適化関係性維持・深耕名刺情報→有望顧客見込事例、役立ち情報、セミナー、メール、ウェビナー評価・選定有望顧客見込→有望顧客スコア、グレード、インサイドセールス提案・受注有望顧客→商談→受注資料改善、トーク改善、商談
マーケティングプロセス顧客状態主な施策例
認知獲得非認知→匿名SEO、広告、SNS、コンテンツ、展示会
実名化匿名→名刺情報獲得サイト改善、CTA改善、フォーム最適化
関係性維持・深耕名刺情報→有望顧客見込事例、役立ち情報、セミナー、メール、ウェビナー
評価・選定有望顧客見込→有望顧客スコア、グレード、インサイドセールス
提案・受注有望顧客→商談→受注資料改善、トーク改善、商談

ボトルネック発見と改善のためのデータ活用

営業パイプラインのボトルネック分析

実践のためのロードマップ

Phase 1: マーケティング基礎固め期(1-3ヶ月目)

  • 現状把握と事業理解
  • 社内意識啓蒙
  • 自社理解、顧客理解、競合理解
  • 戦略設計と課題抽出

Phase 2: オペレーション構築期(4-6ヶ月目)

  • 実行計画立案
  • KPI設計とMQL定義
  • リスト整備とレポート整備
  • 施策実行と効果測定

レベニューインサイトAI分析による効果最大化

複数データソースの統合分析

データソース:

  • GA4データ
  • MAデータ
  • Google検索結果
  • 競合サイトデータ
  • ネットビッグデータ
  • CRMデータ

分析結果:

  • Webサイトのボトルネック分析と改善提案
  • 有望顧客の特定とアプローチ方法提案
  • 施策効果の定量評価と改善策提示
  • 営業・マーケティング活動の全体最適化

月次サイクルによる継続的改善 データ収集 → AI分析 → 改善実施 → 効果測定 → データ収集…

日本企業に適した営業・マーケティング連携の最適解

日本企業の文化を前提とした最適な営業・マーケモデル

日本のモデルを活かす:

  • 長期的顧客関係構築
  • 組織的な活動
  • 顧客ニーズへの柔軟な対応

欧米モデルを足す:

  • 成果連動インセンティブ
  • パイプラインマネジメント
  • テクノロジー活用

まとめ:営業とマーケティングの連携で実現する未来

営業生産性の向上

  • 有望顧客への集中によるコスト削減と成約率向上
  • データに基づく戦略的アプローチの実現

顧客体験の向上

  • 購買プロセス全体での一貫したコミュニケーション
  • 顧客ニーズに合わせた最適なタイミングでの情報提供

売上・利益の拡大

  • 新規顧客獲得と既存顧客との関係深化の両立
  • 中長期的な事業成長の実現

ベネクロのご支援サービス

当社では、BtoB企業の営業とマーケティングの連携強化を支援する以下のサービスを提供しています:

詳しくは当社ウェブサイトをご覧いただくか、お気軽にお問い合わせください。

出典

  1. Gartner, “Future of Sales” 調査レポート (https://www.gartner.com/en/sales/trends/future-of-sales)
  2. InfoProDigital, “Hegemony of Millennials and Z Generation in B2B purchasing decisions” (https://www.infopro-digital-media.fr/en/hegemony-of-millennials-and-z-generation-in-b2b-purchasing-decisions-what-are-the-implications/)
  3. 株式会社メディックス, “2020年版IT製品選定者アンケート調査”
  4. アンソフ(H. Igor Ansoff)の成長マトリクス
内村裕香

コンサルタント
内村裕香 プロフィール

2015年から大手総合電機メーカーでマーケティング組織の立ち上げと社内定着化を実現。現在は株式会社ベネクロ代表取締役として、「製造業の未来を創る」をテーマにBtoB企業の営業変革に取り組んでいます。製造業30年の経験と最新マーケティング知見を融合させ、マーケティング基盤構築から施策実行までを包括的に支援。データ駆動型アプローチで顧客企業の課題解決と営業生産性向上を実現し、日本の製造業の競争力強化に貢献しています。

LinkedIn

https://www.linkedin.com/in/yuukauchimura/

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