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B2Bマーケティングと生成AI

B2Bマーケティングと生成AI

いま、私の作業は生成AI無しにはあまりにも非生産的となってしまいます。ChatGPTが利用可能になるまでは、様々な情報を調べ、自身で考え、言語化し、組み立てを行っていましたが・・・ この短期間の間でそれは過去のものとなってしまいました。

インターネットの世界は、ドッグイヤー(Dog years)と呼ばれ人間の10倍の速度で進むという言葉もありましたが、その速度は加速度的に早まっていると思います。

「生成AIによって仕事が奪われる」これは、生成AIによらずとも、ITの進化によっていずれITによって置き換わるものはもちろんあると思いますが、AI自体が仕事を奪っていくのではなく、「AIを使いこなす側」によって、生産性の低いお仕事が消滅していくんだと思います。それはデジタルの時代の今、AIであろうと無かろうと変わらないと思います。

この記事では、私がB2Bマーケテイングを進めるにあたって、生成AIを使っているシーンの一部について書いてみたいと思います。

マーケティングファネル

B2Bマーケティングが示される際、このようなファネル図は多く登場してくると思いますが、これに沿って利用シーンの例を挙げてみたいと思います。

目次

マーケティング戦略フェーズ

まずはマーケティング戦略フェーズです。自社のプロダクトを「誰に」「どのような便益を」「どのように伝える」かの、活動の根幹フェーズです。

明確にコンセプトが定義されたプロダクトであれば良いのですが、まだ顧客ターゲットがぼんやりしている場合、またクライアントから経験したことのないB2Bプロダクトを指定された場合など、この段階で顧客解像度を高めてSTPを定義する必要がでてきます。

生成AIに顧客ターゲットおよび提供便益についてアドバイスをもらう

生成AIにプロダクトの機能的価値や、プロダクト開発を担ったR&D側や商品企画側から得られた情報をパラメーターとして渡し、アドバイス、ヒントを得たりします。

製造業(メーカー)側から考える便益と顧客が利用することによって得られる便益の視点の違いもあるので、顧客起点での便益も相談します。

生成AIにペルソナ定義を手伝ってもらう

B2Cペルソナ定義には、ターゲット顧客のデモグラフィックのような人口統計学的な属性を用いると思いますが、B2Bの場合は業種、規模、地域などの企業属性に加えて、商品選定を行うキーマンの情報、例えば役職、課題、解決したいことなどの情報を定義したりしますが、これも生成AIに依頼できます。

生成AIに、カスターマージャーニーについて相談する

マーケティング施策の設計図ともなるカスターマージャーニー(顧客の購買にいたるまでの接点や態度変容の状態変化を見える化した設計図)

そもそもターゲット顧客に対象プロダクトの認知を得るためには、どのタッチポイント(顧客接点)が存在するのかは重要な視点ですね。

顧客は認知後、課題解決のために情報収集を開始し購買プロセスが始まった時点で、どのような情報を得られれば、社内稟議に回すことができるか。

顧客側が社内的に必要な情報=メーカー側が提供すべきコンテンツになるので、これも生成AIに質問したりします。

認知・集客フェーズ

デジタルマーケティングの場合は、マーケティング基盤はWebサイトになるので、そのWebサイトにターゲット顧客に訪れてもらわなければなりません。その手段としてはSEOやWeb広告とったのもになりますが、そのキャッチコピーやコンテンツそのもののライティングを託しています。

生成AIに、コンテンツ企画を相談する

  • SEOキーワード選定
  • 中見出し(H2)のコンテンツ構成
  • 本文を含めた原稿ライティング
  • キャッチコピー/広告文
  • 英訳

これらも生成AIの本領発揮といった所で大活躍です。

実名化フェーズ

このフェーズでは、Webサイトに来訪しているAnonymous匿名顧客の実名化を行うフェーズです。

定石としては、顧客にメリットを感じていただけるいわゆるホワイトペーパーの提供と引き換えに名刺情報をいただきます。

生成AIにホワイトペーパーのコンテンツ企画を相談する

「顧客にとってのメリット」は、戦略フェーズで定義したSTP、ジャーニーをベースに導き出していきますので、前提条件を生成AIが理解していれば、比較的回答してくれたりします。もちろんその中味についても生成を依頼するケースもあります。

関係性維持・深耕フェーズ

B2Bで一番キモとなりますフェーズ、いわゆるリードナーチャリングフェーズです。顧客との中長期的な関係性を維持するために、細く長く関係性を維持し、いざ購買となった際に自社を想起してもらえる状態を作りづづけることです。

これはMAツールが導入されていればメールマーケティングが定石となりますがこのメールについても生成AIは強力に支援してくれます。

生成AIにメールコンテンツについて相談する

大原則として顧客にメリットがある興味のあるメールでなければなりませんし、それは件名だけで一瞬で判断されますので、魅力ある件名、そして本文が必要です。これも顧客解像度を高く定義して、生成AIの力を借りればたたき台はいくつも生成してくれます。

有望顧客発掘フェーズ

このフェーズはMAのグレーディング/スコアリングデータおよびWebアクティビティが中心のデータ分析になるので生成AIとの対話よりも営業との対話です。もちろん、この領域にもAIは入ってきていますが割愛します。


簡単ではありますが、マーケティングの新規顧客開拓フェーズ側のプロセスで利用している生成AIの例を挙げてみました。

生成AIは優れた頭脳と豊富な知識を有していますが、それをどう引き出すかはそれを使う側の質問力、対話力に依存しています。

雑な質問をすれば雑な回答しか帰ってきません。

弁護士資格、医師免許を持った、あなたの事や会社の事、プロダクト、業務を全く知らない新人として扱うと良い気もします。

生成AIをツールとして扱うよりは、その筋のプロフェッショナル人材として対話を繰り返すことで、望むアウトプットが得られると思います。


生成AIと上手に仲良くなるプロンプトとは

生成AIに役割を与える

生成AIは自身を何者か変化させることが出来ますので、

  • その業界の専門家
  • ジャーナリスト
  • ◯◯◯の専門家
  • ◯◯◯事業の営業担当者
  • ◯◯◯業界の上場会社の◯◯役員

といったように生成AIがどのような立場で、あなたと対話するかを指定することによって求めるアウトプットが大きく変わります。

ゴールを示す

もとめるアウトプットがどこにあるのかを明示しないとなりません。

原稿なのか、コードなのか、大人向けなのか、子供向けなのかといった成果物を具体的に示す事が必要です。

  • 3000文字の原稿
  • コンテンツのタイトルの案を30文字で10案
  • 役員向け、経営層向け、営業担当者向け
  • 相手のリテラシー(専門用語あり、誰にでも分かる用語)
  • 提案書の構成案、企画書のストーリー

例を示す

もとめるアウトプットを具体的にサンプルとして提示するとそれにならってくれます。

  • 大見出し
  • 中見出し
  • 中見出し
  • 大見出し の繰り返しといった文章構造 など

生成AIは対話型AIと言われるので、「対話」がとても重要です。一度の指示ですべてかつ精度の高い回答を得ようとすると、相手はひねくれてしまい要望通りに回答してくれません。

アウトプットが思ったものと違っている場合は、違っている点を丁寧に説明して挙げてください。

間違っている点があれば、間違いを指摘してあげてください。

一度に多くのものを求めるよりは、大枠の方向性が共通認識になってから、細かいお話へとつなげていってあげてください。

何より使い手側の意思や思いを伝えて上げてください。


この記事は主に文章生成系のお話になっています。ChatGPTやGemini、Copilotが中心になりますが、私は文章生成はChatGPTが一番使いやすいと思います。(気が利きませんが・・)

  • 回答速度が早い
  • スレッド事(対話毎)に情報が保持できる

今後もますます目が話せない生成AIですが、なにより楽しんで使ってみることが大事では無いでしょうか。ゼロからコンテンツを起こすのはとても労力がいること。生成AIに0→1を委ね、1→10、10→100へと進化させていくのは楽ですから。

注:生成AIは入力した情報を学習してしまいます。自社の外部に出すべきでない情報、顧客の情報、個人情報の入力は避けてくださいね。

#B2Bマーケティング

#デジタルマーケティング

#生成AI

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